崩れる通信 No.11.5 番外編
さて、『崩れる通信』番外編の時間がやって来ました。
ふだんこれ見よがしに使っているHTMLタグの使用を一切禁じ、ベタで書いていこうと思います。
!!!各エッセイの紹介!!!
今回は、いろんな書き手に月一回連載して頂いている、 各エッセイの紹介をいたします。
と同時に、各エッセイについて私なりに感想を述べていきたいと思います。
順は不同、というか、週ごとに順番で紹介していきますので、よろしくお願いします。
1.紗那教授『莉子と亜紀の自動車いろは』
テーマ:「自動車」
私は普通免許を持っているくせに車にはとんと疎いのですが、その自動車について詳しい紗那教授の、エッセイ(半小説)を頂いています。
特にテーマ以外で打ち合わせたこともないのですが、第一回から「六甲山」が出てきたということで、かなり私的な興味を抑えられませんでした。
というのも、私自身が、去年旅行した中で最も印象的だったものが、神戸の旅行で、しかもその中で六甲山を登ったことが何にも増して印象的だったからです。
ロープウェイで山頂近くまで登り、それから車道を辿り、オルゴールミュージアムに入り、最後に山頂のレストランで地ビールを飲みながら、遥かに街区を見降ろす心地は、今でも忘れられません。
この体験は、のち小説に生かし、これからも何度か生かし続けるでしょう。
紗那教授のエッセイによって、そんなことを思い出しました。
2.落山羊『えいえんの少女と小説』
テーマ:「少女小説」
ありていに言えばブックレビューですが、落山さん独自の視点とナラティブが相俟って、特異な緊張感を醸し出しています。
特に、第二回の『アリス イン サスペンス』の紹介文に、息を巻いてしまいました。
特に少女・少年に向けた文章って、どれだけ作者自身が活力を文章に込めているか、というのが如実に出てきたりするものだと思うのです。
その辺の所に実に食い込っていて、非常に読み応えのあるブックレビューであると思います。
3.クロフネⅢ世『路上観察のすすめ』
テーマ:「路上観察」
書き手自身が、様々な趣味をお持ちな中で、特にコレという、路上観察をテーマに、エッセイを書いていただきました。
私自身も、路上を観察することに関しては、なかなか気を配っている方だと思っていて、そのことは、拙くも『Pさんぽ』中に著しているつもりではあるのですが、このような「ザ・路上観察」という気合いの入ったものではなく、それだけに「ザ・路上観察」の切れ味に感心することしきりです。
一体なぜ、どこに繋がっていない階段が、未だに形成されているのか?
一体なぜ、内側からも外側からも出入りすることの不可能な、「二階の高さに突如現れたドア」が、あらゆる危険を度外視しながら、なお存続しているのか?
そういう、路を歩く上での「なぜ?」を、「なぜ?」のまま抱えることの出来る、そしてそれを共有することの喜びが、このエッセイには詰まっています。
4.小五郎『白い教室 ~落第生のはらわた~』
テーマ:『哲学』
小五郎氏は別名「松原のりじ」「Goro」「メルキド」として活躍しておられる、文学フリマの長老的立場の文学フリークの人です。
文学、哲学、といってカタいものを思いうかべる人もあるかも知れませんが、ここに語られているのは「哲学」から派生する、いろんな「語られるもの」のいわば塊みたいな、ごちゃまぜの感覚自体だ、といったら怒られるかな、わからない。
とにかく、狭いジャンルに囚われない、縦横な語りが、ここには見られます。
以後、次週!